前回、介護ベッドについてお話ししました。
介護ベッドを利用するときにほぼ100%必要なのがマットレス。
今回はこのマットレスについてお話ししたいと思います。
まず最初に言っておきますが、マットレスも当然
レンタルのほうがいいです!
理由は介護ベッドの時と同じ。
- 費用を抑えることができる
- すぐに用意することができる
- 状態に合わせて機能を変更することができる
- 処分が楽
これらのメリットは大きいです。特に費用と処分のしやすさ。
ぜひレンタルを活用して頂ければと思いますが、
マットレスの種類はしっかりと選びましょう。
介護ベッドは、機種を選ぶのに正直それほど悩む必要はないと前回お話ししました。
が、マットレス選びは重要です!選び方を間違えると症状の悪化の原因となります。
出来る事なら福祉用具専門相談員ともしっかり相談しましょう!
なぜマットレス選びが重要か
日中は部屋で過ごしたり散歩に出かけることができる方や、寝返りや起き上がりが自力で行えるという方でしたら正直それほど悩む必要はありません。
後述する一般的なマットレスでいいでしょう。あと気にするのはサイズぐらいです。
僕たち福祉用具専門相談員がマットレス選びで一番心配することは床ずれが起きないかどうか。
痩せている方や、むくみがある方、ベッド上で寝てる時間が長い方は床ずれリスクが高くなってきます。
たかが床ずれとあなどるなかれ。対処を怠ると皮膚が壊死してしまい、最悪の場合命に関わることもある怖い病気です。
そのため介護ベッドよりもマットレス選びの方が圧倒的に重要です。
マットレスの種類
マットレスは大きく分けて
- 一般マットレス
- 体圧分散マットレス
の2種類があります。
一般マットレス
介護の用語で言うと「特殊寝台付属品」と言われるマットレスです。
まぁ簡単に言えば普通のマットレス。その中でも多少柔らかめ・固めと種類があります。
商品によっては座位姿勢が楽にできるよう場所によって硬さが異なる商品もあります。
自力での寝返りや起き上がりができる方におすすめするマットレスです。
マットレスは柔らかければいいというものではありません。
柔らかすぎると寝返りや起き上がりがしにくくなる可能性があるので注意。
ちなみにレンタルをした場合大体1ヶ月2,000~4,000円程度です。
(1割負担で200~400円 ※収入により2もしくは3割負担の可能性あり)
体圧分散マットレス
介護の用語で言うと「床ずれ防止用具」と言われるマットレスです。
一般マットレスに比べて柔らかく体圧分散能力に優れており、その名の通り床ずれになるのを予防、もしくは発症した床ずれの悪化の防止や改善のため使用されます。
ウレタンなどの特殊素材を用い、身体全体を包み込んで圧力を分散する「静止型マットレス」と空気の力で体圧を分散し、同じ部位に圧迫がかかるのを防ぐことができる「エアマットレス」があります。
痩せていて床ずれの心配がある方や、長時間ベッド上で過ごす方におすすめするマットレスです。
エアマットレスは体圧分散力がかなり高いですが、人によっては「船酔い」の時のような不快感を持つ方もいますので注意。
「静止型マットレス」をレンタルをした場合大体1ヶ月5,000~6,000円程度です。
(1割負担で500~600円 ※収入により2もしくは3割負担の可能性あり)
「エアマットレス」をレンタルした場合だと大体1ヶ月8,000~10,000円程度です。
(1割負担で800~1,000円 ※収入により2もしくは3割負担の可能性あり)
簡単なマットレスの選び方
種類がたくさんあるのはわかったけど結局何を選んだらいいの?
となっている事でしょう。
ではどの種類のマットレスを選べばいいのかが簡単にわかる方法をお教えします。
その方法は
OHスケール
と呼ばれる調べ方。ほかにもブレーデンスケール、K式スケールといった調べ方はありますが、OHスケールが一番「日本人高齢者」に適している調べ方だと言われています。
あと、調べ方が一番簡単。
OHスケールのやり方
これから出す質問に答えるだけ。全4問です
ベッドの上で寝返りしたり、動けますか?
・動ける(0点) ・どちらでもない(1.5点) ・動けない(3点)
お尻の骨の飛び出し具合は次のうちどれですか?

正常(0点)

軽度・中等度(1.5点)

高度(3点)
簡易的には、お尻の山があって仙骨より高ければ「正常」、お尻の山の高さと仙骨の位置が同じ高さなら「軽度・中等度」、仙骨が山のように飛び出しているようなら「高度」、と判断しても良いと考えています。
むくみはありますか?(指でやさしく5秒押して離しても凹んだまま)
・ない(0点) ・ある(3点)
関節が固くなって手足を伸ばしにくいですか?
・ない(0点) ・ある(1点)
質問は以上です。回答の横にある点数を合計してください。
OHスケールの合計点とマットレスの目安
合計点数の計算は出来ましたでしょうか?
この合計点を目安にマットレスを選んでいきます。
現在床ずれの心配はありません。
一般マットレス(特殊寝台付属品)を選びましょう
今はなっていなくても心配です。
一般マットレス(特殊寝台付属品)の中でも柔らかいもの
もしくは
体圧分散マットレス(床ずれ防止用具)の静止型(厚さ10cm以下)
を選びましょう
すぐに対策をしましょう。
体圧分散マットレス(床ずれ防止用具)の静止型(厚さ10cm以上)
もしくは
体圧分散マットレス(床ずれ防止用具)のエアマットレス(厚さ10cm以下)
を選びましょう
逆になんで床ずれになってないの?すぐに変えて!
体圧分散マットレス(床ずれ防止用具)の静止型(厚さ10cm以上)
もしくは
体圧分散マットレス(床ずれ防止用具)のエアマットレス(厚さ10cm以上)
を選びましょう
以上がOHスケールを使用したマットレスの選び方になります。
大体どれを選べばいいかの参考になりましたでしょうか。
最後に
マットレス選びは介護ベッド選びよりもはるかに重要!
選び方はOHスケールがおすすめです。
床ずれはなるべく予防。発症したとしても早期発見・早期治療しましょう。
床ずれはマットレスを交換したら完了ではありません。普段からの栄養摂取や体位変換が重要ですのでマットレスだけで安心せず日頃から体の様子を伺ってください。
マットレスが決まったあとよく相談されるのが防水シーツ。
防水シーツは介護保険が適用されないので購入するしかありません。
長期的に考えると使い捨てより洗える方がおすすめです。
洗い替えできるよう何枚か用意しておくといいですよ!
僕の経験上よく売れているのはこちらの防水シーツです。
腰部分だけのMサイズもありますが、どうしても動いた時にズレてしまい肝心な時に使えないということがあります。なのでマットレス全体を覆えるLサイズを個人的にはおすすめしたいです。
今日はここまで